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今夜の番組チェック

 

日本一まずいラーメン屋

"彦龍"の真実


「日本一まずいラーメン屋」としてバラエティ番組で紹介され、
その名を日本全土に轟かせるラーメン屋、「彦龍(ひこりゅう)」。
その評判を確かめるべく、FSN(フロンターレ・サポーターズ・ネットワーク)では、
フロンターレサポーターきっての「まずいものハンター」・よしだを送り込み、「彦龍」の真実に迫った。

はたして、そのラーメンの味は?
そして、マスター本人の口から語られた「彦龍」の真実とは?


※注 このレポートは、あくまで「よしだ」個人が勝手に行なったものであり、FSNが調査をしたという事実はまったくありません(笑)。


・困難極めた捜索


1月20日、編集長の指名を受けて、文京区千駄木のラーメン屋、「彦龍(ひこりゅう)」へと向かった。

「彦龍」は、日本一まずいラーメン屋として、かつて「ダウンタウンのごっつええ感じ(フジ)」や「神出鬼没タケシムケン(テレ朝)」などのバラエティ番組で取り上げられ、その名を日本中に轟かせているラーメン屋である。
最近ではマスター公認のオフィシャルホームページなるものも誕生し、「ホームページを見た」という人からの訪問も多いらしい。

今回の狙いは一つ、「ホームページを見た」という人だけが食べられるという、ホームページラーメンである。

 

午後6時、日暮里駅西口を出て、雪のそぼ降る中歩き出す。

オフィシャルページの地図によると、このまままっすぐ歩いてローソンのある角を右に曲がれば、あるらしい。

で、その通りまっすぐ歩いてみるのだが、その目印となるローソンが見当たらない。
かねてから方向オンチぶりには定評のあるオレのこと、「もしかしたら、道を間違えたのかもしれない」と思い、来た道を2,3度引き返してみたり、日暮里駅近くのセブンイレブンで東京23区地図を買って道を確かめてみたりするものの、「彦龍」はおろか、ローソンさえ見当たらない。

雪の中での捜索は困難を極めた。

 
歩くこと30分。
もういい加減帰ろうかな、という気になってきた。

このまま探しても、多分見つからないよ。
念のため朝から何も食わずに腹を空かせてきたので、いい加減腹も減ったし。
「彦龍」探しはまたの機会にして、今日はどこか別の中華料理屋でも行こう。

そう思い、再び日暮里駅方面に向けて歩き出した。
そして、ちょっと歩いて、ふと路地の方に目をやった。

 

あ。

 

「ラーメン彦龍」

50mほど先にあったその看板には、オレの探していた店の屋号が、黄色地に赤い文字でまぎれもなく書かれていた。


見つけちまったぁ・・・・・・・・。

 

店の前に立つ。
見るからに怪しげな店構え。店内の様子は、外からでは全く見えない。
事前に仕入れていた予備知識も相まって、より一層の戦慄を覚えた。

意を決して、店の中に入る。
店内には、客は1人もいなかった。
椅子に座ろうとしたところで、変な匂いがしてちょっとだけえづいた。

注文は、最初から決まっていた。今回の目的である「ホームページラーメン」。
「あのぉ、ホームページ見てきたんですけど、ホームページラーメンもらえますか?」

しかし、返ってきたマスターの反応は、意外なものだった。

 

 

・HP開設について

マスター(以下、マ)「ホームページラーメンはねぇ、もうやってないんですよ」

―――――あ、そうなんですか?

マ「ええ、1日1つ2つしか出ないから、採算が取れなくってね」


仕方が無いので、普通のラーメンを頼むことにした。

店内には、マスターとオレの2人だけという、「あいつにマンマーク」状態。
このままただ黙ってるのも何なので、
とりあえずホームページ開設の経緯から聞いてみた。

―――――そもそも、あのHPってどういう経緯でできたものなんですか?
マ「やぁ、あれはね、Kさんって、この店の常連――――や、常連まではいかないかな。でもまぁ、2,3年前からよく来てくれるようになった人がいて。で、その人が作ってくれるっていうから、『じゃ、どうぞ』って」

―――――公認ページであるのは間違い無いんですか?
マ「うん、まぁ公認っちゃあ公認だね。さっきの"ホームページラーメン"ってのも、そのKさんの提案なんですよ。『マスター、こういうのやってみたらどう?』って言うんでね。で、オレはね、『う〜ん、まぁ採算が取れるんだったらやってみるけど』っていうふうに言ってたのよ」

―――――じゃあ、その時点ではまだやると決めたわけではなかった?
マ「うん。で、しばらく経っても何も無いから『どーしたのかなぁ』って思ってたら、ある日いきなりお客さんが『すいません、"ホームページラーメン"下さい』って言ってきてさぁ」

どうやらマスターの話を聞く限りでは、"ホームページラーメン"はHP開設者側の勇み足であるらしかった。


マ「まぁ、オレも一応『やる』みたいなこと言った手前、始めたんだよ。でも、さっきも言ったけど1日1,2杯しか出ないんじゃね。『こら、採算合わねぇや』っつって止めたわけ」

―――――そうだったんですか。で、その人は今もこの店に来てるんですか?
マ「それがね、こないだ電話かけたんだ。『"ホームページラーメン"やってみたけど、採算合わないから止める』って言おうと思ってさ。そしたら、『お客様のおかけになった番号は、現在使われておりません』だって。引っ越したんだか何だか知らねぇけど、もう連絡取れなくなっちゃってさ」

―――――店にも来てない?
マ「うん、だから連絡の取りようが無いんだよ」


何とも後味の悪い話である。

 

 

・いざ、試食

マスターは、オレと話している間も黙々と作業を続けていた。

見るからに狭い調理場には、マスター1人しかいない。
そのことに関してマスターに聞いてみると、

マ「やっぱりね、厨房が狭いから鍋とか振ってるとぶつかっちゃうんですよ。それと、あとは給料の問題。従業員いても給料が払えるかどうか分からないしね(笑)。だから、ずーっと1人でやってる。もう11年になるかな。やっぱ、1人の方が気楽でいいですよ」

「家族の方は・・・・・・」という質問が危うく喉元まで出かかったが、止めておいた。


しばらくすると、ラーメンが出来上がった。

これが、日本一まずいと言われているラーメン・・・・・・・・・・。心なしか箸を持つ手が震える。

ズズッ。

 

 

 

 

ズズッ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言うほどじゃないぞ?


確かに、間違っても美味いとは言えないし、たぶんこれだったら寿がきやの「名古屋コーチンガラだしラーメン」の方が美味いのだが、「日本一まずい」と言うには気が引ける。

少なくとも、オレは26年間の人生の中で、これよりまずいラーメンを10個は知っている。


味は、インスタントの「チャルメラ」のスープを濃くしたような味で、麺も特に当たり障り無かった。


マスターに聞いてみた。


―――――なんか、「日本一まずい」っていうふうに言われてるじゃないですか。でも、こうして食べてみると「別に言うほどでもないじゃない」って思ったんですけど。
マ「そうですか。でもね、お客さん今普通のラーメン食べてるでしょ。もう1つ"彦龍ラーメン"ってのがあるんですけど、そっちはね(笑)」

たけしが「キムチをドブに捨てたような味」と評したと言われている"彦龍ラーメン"。
もし、「彦龍」の本気の味を堪能したいという方は、そちらの方をオススメする。

 

 

・テレビ出演のウラ

マスターは、テレビをはじめとしたマスメディアで「日本一まずいラーメン」として取り上げられることについてどう思っているのか。


マ「やっぱり『宣伝』ですよね。今までたくさんバラエティ番組で取り上げられてもらいましたけどね、料理番組とかなら『どっちが美味い』っていうふうになるんでしょうけど、バラエティですから。だから、そういう取り上げられ方でいいと思ったんですよ。おかげで、お客さんみたいな人が来てくれるわけでしょ(笑)?」

しかし、「日本一まずいラーメン」と銘打ったところで、すべての人がオレみたいに「食いに行ってみよう!」と思う物好きなわけではない。むしろ、マイナスイメージの方が圧倒的に強いのではないだろうか。

さらに、マスターからこんな話も聞いた。

マ「『タケシムケン』の『勝ち抜きまずいラーメン』はね、最初『7週出てくれ』って言われたの」

―――――え?ってことは、最初から6週勝ち抜くことになってたってことですか?
マ「そう。だから、もう完全なヤラセだよね。最初から、そういう台本みたいなのができてるんだもの」


それでもマスターにテレビ出演を決意させたものとは、何だったのだろうか。

マ「やっぱりね、志村さんに会いたかったから。昔から志村さんの大ファンだったんですよ」

確かに、店内には志村けんグッズがそこかしこにあふれている。

マ「あの番組に出たのもね、志村さんに会いたかったから出たんですよ。だから、別に勝ち負けなんてどうでもよかった。試合に勝って、アナウンサーに『勝っちゃいましたけど』って聞かれましたけど、『オレは別に勝ち負けなんてどうでもいいんだ、志村さんに会いたくて出てんだ』って言ってやりましたよ」

もっとも、オンエアでは「一番言いたかった『志村さんに会いたくて出たんだ』ってところだけカットされてた(笑)」(マスター談)らしいのだが。

 

 

腹が減っていたこともあって、いつの間にかラーメンは完食していた。

勘定を済ませて店を出るとき、マスターは「ありがとうございました、またよろしくお願いします」と言った。

積極的に「また来よう」とは思わないが、「2度と行きたくない」とも思わなかった。

 

もし、気が向いたら、また「彦龍」に行くこともあるかもしれない。

いや、たぶん行くかもな。

なんたって、まだ「彦龍ラーメン」食ってないし。

 

おわり。

 


「彦龍」オフィシャルホームページ → http://ascii.room.ne.jp/~puchico/hikoryu.html

 

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